3Dプリンタのご紹介

道具

社内で使用している3Dプリンタをご紹介します。

溶かしたフィラメントを少しずつ積み上げて形成していく、いわゆる「FDM方式」の3Dプリンタです。
一応、完全オリジナルのプリンタですが、実は、とあるメーカー製のプリンタをベースにしています。

ベースにしたプリンタは、中華製の一般向けプリンタですが、価格が数万円と安いにも関わらず、要所要所は金属の部品やアルミのダイキャスト部品で作られていて、それなりに精度や剛性が高そうに思えたことと、簡易的なものではありますが、エンクロージャに入っていたことが、このプリンタを選定した理由です。(どこのメーカーなのかは勘の良い人にはバレてしまうかも知れませんが、そのメーカーにとっては嬉しくないことを書くかも知れないので、ひとまず、内緒にしておきます)

3Dプリンタというものを実際に使ったことがなかったため、まずは、買ったままの状態で色々と試したり勉強しながら進めていきたかったのです。

また、その改造に関しても、一気に作り変えるのではなく、必要なパーツをこのプリンタ自身で印刷して作りながら、ステップバイステップで進めていきたかったという理由もあります。改造の途中で印刷ができない状態になってしまうと困りますので、そうならないために、機械的な構造が分かりやすく、ある意味、冗長な構造になっているこのプリンタがベストと判断しました。

改造して変わったところは

  • CPUボード
  • 電源
  • ヘッド(エクストルーダ、ヒーター、ノズル、ファン、etc.)
  • X方向駆動関連(パルスモーターだけは流用)
  • Y方向駆動関連(パルスモーターだけは流用)
  • Z方向原点センサ
  • エンクロージャ(庫内循環ファン)
  • 庫内温度制御関連(庫内温度センサ、ヒーター、etc.)
  • エンクロージャ内リールホルダ
  • ヘッド水冷機構(まったくの新規追加)
  • カメラ(ついでにWiFiモジュール)

・・・いろいろと列挙してみましたが、あまりにも多すぎて、と言うよりも、ほとんどを変更していて、ヒートベッド周りの部材類(ベッド、ヒーター、台形ネジ、リニアブッシュやシャフト関係)と外側の構造材(Lアングルなどで組まれています)以外は全部作りかえてしまったのではないかと思います。
元の状態を思い出せなくなってしまいました・・・(笑)

因みに、一番、最近に変更したところは、ヘッド部分の水冷化です。

ポリカーボネイトなどのフィラメントは、かなりヘッドの温度も高くしますし(300℃近く)、庫内の温度を上げないと、どうしても反りが出てしまうため、エンクロージャを作りかえて断熱構造にし、庫内に入れているヒーターも現在の30Wから200~300W程度に上げようと目論んでいるため、まずは、庫内の温度に影響せずにノズルの根元(ヒートブレイクといいます)を水で冷やせるようにヘッドの水冷化を施しました。

水冷ヘッドも、中華製のものがいくつか販売されていて購入できるのですが、レビューを読むと、水漏れの報告やら冷却不足やら、マイナスの評価が少なくないため、それならと、銅製のヒートシンクを銅板で囲った中にロウ付けして、完全オリジナル&完全手作り(要は寸法が出てません…笑)で作ってみました。
正確に計ると、組み上げた状態で約0.4度ほど鉛直からズレて傾いてますが、これも、水冷で上手く印刷できるかが分からない状態で、またきっと新しく作り直すでしょうから、現時点では良しとしています。
お客さまに納める商品ではこんなことできませんが、自分で使うものは、装置にしても、治具にしても、工具にしても、だいたい皆さんこんなもんですよね?

次回、何かの改造をするときは、写真もたくさん撮って、皆さんにお見せできるようにしたいと思っています!