弊社のシステム開発について
弊社は、ソフトウェア・ハードウェア・機構(メカ)を組み合わせたシステム開発を得意としています。単なるプログラム開発にとどまらず、目的に応じた最適な技術要素を統合することで、現場の課題解決や新たな価値の創出を支援いたします。
たとえば、センサやアクチュエータを用いた計測システムや制御システム、研究開発用の専用治具や試験装置、高い信頼性が求められる屋外対応システムなど、幅広い分野で実績があります。
また、小型の組み込みシステム(マイコンベース)から、産業用PCや高性能CPUボードを使った大規模システムまで、開発規模や用途に応じた柔軟な対応が可能で、構想段階から設計、開発、製造、導入、運用まで、一括してお任せいただけます。
お客さまのアイデアや課題を確かな技術と提案力でかたちにいたします。
技術支援と内製化支援について
弊社では、システムを一括で開発する「受託開発」に加え、貴社内での内製化を支援するための技術アドバイスやスポット的な技術サポートもご提供しています。
新しいシステムや製品の開発では、完成までのプロセスだけでなく、その後の運用・保守・アップデートも非常に重要です。市場や業務環境の変化に柔軟に対応できることが、製品やシステムの寿命を左右します。
一見、わずかな変更でも開発元に都度依頼しなければ対応できない仕組みでは、結果的に運用コストが膨らみ、長期的には使い続けることが難しくなるリスクもあります。
もちろん、開発段階から将来的な変更に備えた設計は可能です。弊社が受託開発を行う場合も、将来的な拡張性や保守性を見据えて設計を行っています。ただし、柔軟性を高める設計には一定の初期コストがかかり、また、すべての可能性を事前に想定することは現実的ではありません。
こうした課題への有効なアプローチのひとつが、システムや製品の内製化による社内対応力の強化です。
しかし、すべてを社内でまかなうには、ソフト・ハード・メカなど複数分野の専門知識が求められます。担当者の育成や体制の維持にかかる継続的なコストが、内製化のハードルを上げているのも事実です。
そこで弊社では、必要なときに必要な技術を提供する「支援型開発」のスタイルをご提案しています。
たとえば、システム設計に必要な技術的な要点や、今後重要となる判断ポイントなどを、弊社からわかりやすくご提案・ご説明し、お客さまが理解・判断しやすい形で支援します。
これにより、お客さまが、全体像を把握しながら開発を進めることができ、必要に応じて外部パートナーに一部委託するなど、柔軟な体制構築も可能になります。
将来的な仕様変更や機能追加にも、お客さまご自身で判断・対応できる力がつくため、長く活用できるシステム・製品の構築につながります。
弊社では、ご契約ベースで継続的にサポートするプランから、スポット対応の技術支援まで、ニーズに応じた複数のメニューをご用意しています。 内製化したいけれど、すべてを自社で抱えるのは難しい、とお感じの企業様は、ぜひ一度ご相談ください。
既製品の活用とカスタマイズのバランス
近年、コンピュータシステムや制御・計測機器の開発手法は大きく変化しています。
小規模なシステムであれば、市販のモジュールや制御機器、センサなどを組み合わせることで、専門業者に依頼せずとも社内で構築できるケースが増えています。また、機能性の高いパッケージソフトや制御モジュールも豊富に流通しており、適切に選定すれば、高度なシステムを比較的低コストかつ短期間で構築することも可能になってきました。
そのため、システム構築の際には、こうした既製品を上手に活用することが、コストとパフォーマンスを両立するうえで非常に重要になってまいりました。
一方で、既存システムとの連携が必要なケースや、一般的ではない特殊な処理・制御が求められる場合、市販の汎用製品だけでは対応しきれない課題も出てきます。また、パッケージ製品は多機能である反面、実際には不要な機能が多く含まれていたり、運用に合わない操作性が業務の負担となってしまうことも少なくありません。
こうした「機能の過不足」や「使い勝手の不一致」が原因で発生するコストの無駄や運用上のストレスは、見過ごせない課題です。
システム構築方法による比較
構築方法 | メリット | デメリット | 適したケース |
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市販品の組み合わせ |
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フルカスタム開発 |
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ハイブリッド型 |
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弊社では、ソフトウェア・ハードウェア・メカを統合して開発できる体制と、業種を問わず様々な開発に携わってきた経験を活かし、お客さまの業務や構想に最適な構成のご提案が可能です。
既製品を活用する際の、どこを市販品でまかない、どこをカスタマイズし、どの部分を新規に開発すべきか、という判断をお客さまの立場に立ってご提案いたします。 また、必要に応じて、内製化や自社保守への段階的な移行のサポートでもお手伝いさせていただきます。
一見すると市販品だけで構築できそうなケースでも、「導入後に想定外の問題が発生する」「使いづらくて結局使われていない」といった事態が珍しくありません。 本当に使いやすく、現場に根づくシステムを実現するためにも、ぜひ一度、弊社にご相談ください。
現場に根づいた技術力
弊社は、画像処理システムの開発を起点として、約40年前に創業いたしました。
当時の画像処理は、今とは比較にならないほど限られた性能でした。 ビデオカメラのNTSC信号から取り込む画像の解像度は粗く、演算処理も数MHzのクロックで動作する8ビットCPUのため、複雑な処理には非常に時間が掛かります。 そうした環境下で、それまで、人の目に頼るしかなかった検査や危険な場所での作業を自動化するニーズに応えるには、柔軟な発想と工夫が大変重要で、そのような多様な課題に向き合ってきた結果、次のような力を培うことができました。
- 分野を問わない幅広い技術知識と経験
- ソフトウェア・ハードウェア・メカ、それぞれの特性を活かしたバランスの取れた設計
- お客さまの状況や業務内容に対する柔軟で実用的な開発アプローチ
弊社のシステム開発の強みは、こうした複数分野にまたがる技術とノウハウを有機的に融合し、現場で本当に使えるシステムを構築できる点にあります。
「アイデアはあるけれど、どこから始めていいかわからない」「まだ検討段階で、要件も固まっていない」といった段階でも、どうぞお気軽にご相談ください。 これまでの経験と技術力を活かして、お客さまの立場に立った最適な方向性と構成案をご提案いたします。
開発実績のご紹介
創業以来、ソフトウェアのみの小規模なものから、ハードウェアやメカニカルな機構を含んだ大がかりなものまで、様々な開発業務を行ってまいりました。 受託開発での業務、それも、新製品や新技術の研究開発を目的としたものが多いため、ほんの一部になってしまいますが、いくつかをご紹介させていただきます。(なお、具体的な内容が特定される可能性があるものに関して、名称や機能の一部を脚色して掲載したものもございます。ご了承ください)
現在と違い、取り込む画像の分解能(画素数)は256x256ドットしかないため、画角(撮影範囲)と精度(製品形状のバラツキ)のバランスが非常にクリチカルで、更に、ワーク素材の性質上、変形させる量を可能な限り少なくして素材の変質を少なくする必要があるため、モータへのフィードバック量をその時点での形状に合わせて、職人さんからのアドバイスをもとにアンダーシュート気味に制御している点が、他の一般的なロボットシステムと異なります。
サンプリングするカメラ画像の画素数は縦横256ドットの65,536画素で、現在と比べれば非常に少ない画素数ですが、使用しているマイコンは8ビットのMC6800ですので、円の方程式を固定小数点の数値で解くだけで非常に処理時間がかかります。そのため、計算処理のほとんどを整数で行うようにして、処理時間の大幅な短縮を図っています。
各ロボットの制御は完全にマルチタスクで動作し、ロボット間の同期動作も、ティーチングによる同期指示も、工場のライン担当者でも簡単に設定・変更・運用できるように、独自のアルゴリズムと文法を採用しています。また、管理できるロボットの台数も当時としては珍しい「メモリの許す限り可」というものになっています。
予め、音声とインデックスを録音したカセットテープを4台のテープデッキに装填し、列車からの指示信号をもとに、ひとつのテープを再生しながら次やその次のテープの頭だしを繰り返し、音声の切れ目が発生しないように再生するシステムです。テープの巻き戻しや早送りには何十秒もの時間がかかる反面、各アナウンス音声の再生時間は数秒から十数秒程度と短いため、どのテープデッキを使用して、どのアナウンスを再生すれば良いかの判断処理が多くの部分を占めています。
卓の上部に全体を撮影する広角カメラ、ハンドに牌を大写しするための接写カメラを取り付け、広角カメラの映像をもとに牌の存在する大まかな位置を割り出し、その位置にハンドを移動して接写した画像から牌の種別・位置・傾きを計測します。その動作をすべての牌に対して行い、その後、「役」として必要な牌のみをハンドで掴んで所定の場所に並べていきます。現在であれば、上部の広角カメラのみで処理ができそうですが、この当時は取り込む画素数が非常に少なく粗かったため2台のカメラを必要としました。
現場で担当者が簡単に入力し計算処理を行うことができ、入力したデータはメモリカードで保存して一括して管理が可能なアプリケーションです。
このシステムは、遠隔地等で無人で運用されることを想定しており、システムの管理やデータのやりとりは電話回線(衛星携帯電話等)で行い、異常が発生した際には電話を掛けてくるシステムとなっています。
首振りを360度可能にするための機械的電気的な構造や、太陽光の影響を最小限に抑え込む様々な対策が特徴です。
撮影タイミングにより対局者の体や手が隠している箇所は補完して動作します。なお、この画像処理に関しては、販売されている既製品の画像処理エンジンを使用して作成しています。
赤外線追尾装置を開発した際のノウハウによって、屋外の強烈な太陽光の影響も受けにくいものとなりました。
通信方法や計測方法を工夫することで、大きな電力を必要とする長距離無線通信と長時間動作の両方を実現しました。
実現への道筋をご提案できます
実は、お客さまが、「これは実現が難しいのでは…」「開発費が高額になるのでは…」とご懸念されているアイデアや構想が、実際には、意外なほどシンプルな方法で実現できるケースが少なくありません。
技術の進化や、市販モジュールの充実、過去の開発資産の再利用などにより、かつては困難だったことも、今では手軽に、低コストで対応できる時代になっています。
もちろん、ご相談にあたって費用は一切かかりません。
「こんなことできるだろうか?」「まだ構想段階なんだけど…」という段階でもまったく問題ありません。 まずは、今お考えのことをざっくばらんにお聞かせください。 これまでに培ってきた経験と知見をもとに、お客さまにとって有益な情報と選択肢をご提供いたします。